「Hands Collectionについてよくある質問」に、お答えしています。
NPO法人で活動をしようと思ったきっかけ
法人を設立した2011年は、企業が経営悪化などを理由に労働契約を一方的に打ち切り、派遣社員が職を失う、いわゆる「派遣切り」が行われていたときです。
雇用調整を実施する事業所の割合が上昇し、また若年者の自死・自殺問題がクローズアップされはじめた時期でもありました。
このような現実を目の当たりにして、「今、自分にできることはなんだろうか」と、問いかけ、これまでの経験と自らの想いから「社会活動」へテーマを向けることを決意。まわりから有志を集い、活動をスタートさせました。
NPO法人の主な活動内容は、2006年に施行された自殺対策基本法の第十九条活動[注1]が着眼点となりました。
「自殺発生回避のための体制の整備などを行うこと」(自殺を未然に防ぐ活動)が原点となっています。
[注1] 自殺対策基本法 第十九条【民間団体の活動に対する支援】国及び地方公共団体は、民間の団体が行う自殺の防止等に関する活動を支援するために必要な施策を講ずるものとする。
厚生労働省・自殺対策基本法(平成十八年法律第八十五号)
NPO法人を自分たちの力で運営する取り組み
私たちHands Collectionは自らの力でNPO活動を行うことを基本方針とし、そのために以下のことに取り組んでいます。
最も多い相談内容について
「労働問題」をキーワードに、若年者向け相談窓口を開設しました。
「働く人と企業を結ぶ街の相談室」というテーマを揚げて、相談役の立場として活動を行っています。
対象は「若年者」としていますが、実際には相談者の年齢層は幅が広く、労働問題に関する情勢が浮き彫りになっていることを痛感しています。
最も多い相談内容は、以下のとおりです。
労働問題
- やりたい仕事がみつからない
- ひとつの職場で長く続かず転職を繰り返している
- 求人に応募をしてもなかなか採用されない
- 職場環境、人間関係に馴染めず困っている
その他
- 職場でのいじめ
- 夫婦不仲
- 金銭トラブル
- 自分はなにをすべきか(生き方が)わからない
※実際の相談内容は、多岐にわたります。
「求職・求人・社会」のキーワードについて
Hands Collectionが掲げている「求職・求人・社会」のキーワードは、「職を求める一般求職者」「人材を探す企業」「ハンズコレクション」を指しています。
これまでとは違った「新しいスタイルの職場づくり」こそが、今求められていることであると考えます。
まず、この「トライアングル」の関係の中に、「悩みを抱えている若者たち」が自然に溶け込める職場環境をつくり出します。
そして、若者たちが社会との接点を取り戻しながら社会復帰へと促す役目を、Hands Collectionが担います。
このスタイルを「三位一体によるネットワーク」と呼び、「自殺発生回避」を行うためのハンズコレクションの活動モデルとなっているのです。
さらには、職場の提供を行う企業代表・NPO団体・士業などの専門家・教育関係者・支援者が一丸となるネットワークを形成しています。
今後の活動や展望について
相談内容は、就労だけに留まらず多岐にわたることから、受け入れ体制の充実化を図ります。
また、「若年者向け相談窓口」として、時代の変化にも対応しながら、サポートの質の向上を目指していきたいと考えています。
ひとつの窓口だけでは解決が困難である相談内容にも、サポート側に就労問題や法律に関する専門家を交えて、幅広く対応できる仕組みづくりを行っていきます。
同時に、素早く対応が行えるように「クラウド型相談窓口」の開設も目指しています。
また、若者と気軽にコミュニケーションを行うためのコンタクトツールとして、インターネット、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の活用が必要です。
現代にあわせて、このような新しい環境づくりにも、チャレンジしていく所存です。
Hands Collectionが担う社会的ミッションについて
誰に頼まれたわけでもなく、自らが率先してこれらの支援活動を続けてまいりました。
若年者自殺防止対策活動の展開は、日本の未来と直結しています。
Hands Collectionが行う相談活動により、多くの若者たちを救い、また、救われた若者達がその後、この活動に加わることこそ、「ミッションのゴール」といえるでしょう。
社会的ミッションとは、「自らが考え、背負い、行動すること」であると、私は考えます。
自らが、「社会的ミッションに一石を投じる役割を担っていくこと」を、常に念頭に置きながら心して前進してまいります。